第5回 「明石の蛸は何故ウマイ?」

 2009年7月17日(金)は明石を訪れた初めての日となりました。
18、19日の二日間が「介護予防運動指導コアインストラクター養成講習会」でした。
主宰者の柳本有二先生は著書として「100歳まで歩ける体力をつけるコツ」、「ダイナミックウォーキング(階段を駆け上がることのできる高齢者を目指して)」等を著されています。

その著書からの引用ですが、
 「・・サルからヒトへの二足歩行には、約500万年かかりました。また、ヒトは数百万年を経て採集狩猟生活から定住農業生活へ移行しましたが、農業生活から都会生活への移行時間は、非常に短いのです。
もともと生命の進化は、環境に適応しながら徐々に変化します。そして、生命史は、劇的な環境の変化がその種を滅ぼしてきたことを証明しています。その意味で、現代人は、まさにその危機にさらされており、生活習慣病などは、その兆候とも言えます。そして、ある研究がそれを証明しました。
 アメリカのバッフェンバーガー博士は、ハーバード大学の卒業生1万5千人の数十年のライフスタイルと寿命について調査しました。そして、寿命に差が出る運動量は、一週間あたり約2,000kcal、つまり一日ほぼ300kcalの消費にあたると述べています。私達は、歩幅70cm、毎分80~90mの時、1,000歩で約30kcal消費します。そうすると歩いて丁度約1万歩が300kcalにあたるのです。
 これこそがよく耳にする「一日一万歩」運動の根拠なのです。・・・」この「身体活動量と冠動脈性疾患発生率との関係」によれば



となっており、1週間あたりの身体活動量が3000-3499Kcalの場合に有病率は一番低く3500Kcal以上の場合には却って有病率が高くなっています。この結果は過度の運動は良くないことを物語っています。

御教訓 「適度な運動は薬だが過度な運動は毒である」

 肝心の養成講習会ですが、その内容も心理学や現代舞踊を彷彿とさせる身体を使っての 表現、ヒーリングタッチなど今までの講習では受けたことのない興味ある内容でした。

 今回の「ウェルネスコアインストラクター養成講習会」は
       1、対象者の動き(身体など)を客観的に把握した運動指導
       2、対象者に勇気を与える運動指導
       3、対象者が可能な限り、自立歩行できることを目指す運動指導
       4、対象者の尊厳を大切にする運動指導
 を目的としています。

 最終講義は柳本有二先生の「これからの健康科学論」でした。
先生は「身体のゆがみ」を直し、バランスのとれた身体を作ることが人間の健康維持に重要であることを喝破されています。実際、私の腰に電極をつけて歩かされたのですが、その軌跡が画面上に表示されるようになっており明らかに左右のバランスが崩れておりました。
 そこで、スキーストック(ウォーキング用)を両手に持って歩きますと、見事に改善されバランスの取れた理想的な歩きとなったのには少々驚きました。これは現在「ノルディックウォーキング」として我が国でも段々と広まってきています。そして一ヶ月後の8月19日(水)に「介護現場実習」を履修し全ての講習を修了しました。

 今回も色々な方との出会い、土地の名物(明石焼=タレで食べる蛸やき)、宿舎(舞子ビラ)から眺望する明石大橋の雄大な風景 など数多くの土産を胸の内に携え帰途についたのでした。