第6回 「本当に必要な水の飲み方」

今年も猛暑で熱中症が猛威を振るいました。
平成22年の熱中症起因死亡者は1718人で統計開始の昭和39年以来最大数でした。
その79.3%が65歳以上ですから我々も十分気をつけなくてはならない年齢になったと言うことです。
熱中症の予防には「水分・塩分を摂取する 」ことが大事ですが、正しく摂取することが肝要です。

参考になる記事がありましたので紹介します。

医師が忠告「本当に必要な水の飲み方」とは日経ウーマンオンライン(日経ヘルス) 9月14日(水)10時42分配信 「ニューヨーカーは水を飲む習慣がきちんと身につけている人が多い」と、ニューヨークで医師として働いていた聖マリアンナ医科大学病院腎臓高血圧内科助教の今井直彦さん。「“水の飲み方”を知って、健康な体を維持していただきたい」と話す。
では、どのように飲めばいいのか。アドバイスしてもらった。
暑い時期だけでなく、これからのスポーツの秋にも、ぜひ知っておきたいことだ。
「水太り」って…?

――「1日に最低2リットル、水を飲むことが大事」といった報道もされていますが、こんなに飲む必要があるのでしょうか。

今井:体からは常に水分が失われています。尿や便だけでなく、呼吸や皮膚からも水は失われていきます。

一方で、入ってくる水分は、水として口から飲む他に、食物に含まれる水分や体内で産生される水分があります。

意外と忘れがちなのが、この、食事に含まれている水分です。

 こうしたことを考えると、1日に2リットル飲む必要はありません。私は1日1~1.5リットル飲むことを勧めています。

 たまたま0.5リットルしか飲まない日があったとしても問題はありません。

腎臓は賢い臓器で、水を飲まなかったときはその水を保持するように、

そして水を飲み過ぎたときにはその水を排泄するように働きます。

きちんと食べている人であれば、たとえ1日に6リットルの水を飲んだとしても不必要な分は体から排泄されます。

――「水を飲みすぎるとむくむ」とか「水太りする」という声を聞きますが、これはどういうことでしょうか?

今井:健康な人であれば、腎臓の働きにより不要な水分は体外へ排泄されます。

ですから2リットル程度の水を飲んだからといって、それが原因でむくむことはありません。

夕方になると足がむくんでくるというのは水分のとりすぎによるものではありません。

若い女性でダイエットをしている方の相談を受けることがありますが、

しっかり食べておらず栄養状態が悪い人は逆にむくみやすくなります。

水しか飲まないなどといった極端なダイエットは体によくないということです。

―― 水分補給にはスポーツ飲料が適していると聞きますが、本当ですか。

この夏は、暑さ対策もあって、塩アイスや塩クッキーなど塩スイーツのラインアップもますます増えていますね。

塩分もとった方がよいのでしょうか?

今井:日本人は欧米人に比べて塩分を2倍近く取っていて、とり過ぎです。

塩分のとり過ぎは高血圧やむくみにつながります。ですから不必要に塩分を取らないようにしないといけません。

その中で、塩分をとっていただきたいのは、汗をたくさんかいたときです。

汗と一緒に塩分も出ていくからです。特に、汗をかけばかくほど、出ていく塩分量は多くなります。

運動したり暑かったりで汗だくになったときは要注意です。こんなときは、水分だけでなく同時に塩分も補給してください。

 一般のスポーツドリンクは、実はそれほど塩分濃度が高くありません。

汗ばむ程度のときにはそのくらいの濃度のもので十分ですが、大量の汗をかいたときには足りません。

最近ではようやく市販でも塩分濃度の濃い「経口補水液」といわれる飲料が販売されるようになりました。

こうしたものを利用するといいでしょう。一方で、昔の人の知恵で「麦茶に梅干」というのがありますが、

実はこれなどもピッタリです。手軽ですし、経済的ですよね。昔の人の知恵は恐るべしですね。

―― 汗をかいているかどうかで塩分を取る必要があるか決めればよいのですね。

今井:はい、オフィス等で普通に働いている分には塩分を取る必要は全くありません。

塩分の入っていない水やお茶が適しています。状況に合わせて飲んでいただきたいですね。

ちなみに、ビールは“水”ではありませんから、カウントしないでください(笑)。

ビールで「必要な水分補給」はできません。アルコールは利尿作用がありますので逆効果です。

―― はい、わかりました(笑)。では、より良い水というのはあるのでしょうか。例えば硬度もいろいろありますが。

体内の水分量と運動の意外な関係とは

今井:私がニューヨークに住んでいた時から実践していることは「マグネシウムの多い硬水」を飲むということです。

マグネシウムは数あるミネラルの一つですが、電解質の調節だけでなく、体内の酵素に不可欠の成分でもあり、

最近改めて注目されています。さらに、便を軟らかくする作用もあるので、お通じが良くなります。

マグネシウムは1日に300~400mgとったほうがいいのですが、硬水を飲むとマグネシウムの補足にもなります。

比較的硬度の高い水では、1リットル中に50mg程度含まれているものもあります。超硬水だともっと多いですね。

―― いつ水を飲むといい、という目安はありますか?

今井:基本的にはいつ飲んでもかまいません。

大事なのは「のどが渇いたと感じたときは必ず水を飲む」ということです。

体内の水分量は生命の維持に直結しますから、“水分がほしいという要求を出すセンサー”は非常に鋭敏です。

ですから、のどが渇いたときには我慢せず水分をとってください。

のどが渇いていないのに無理して水を飲む必要はありません。体の欲求に従うということが大事ですね。

 ところで、人間の体に占める水の割合はどの程度か知っていますか?

―― 60%くらいと聞いたことがありますが……。

今井:だいたいそのくらいですね。

ただ、年齢によっても違って、赤ちゃんのときが一番多く80%近くが水分です。

これが年をとる減っていきと老人では50%くらいにまで減少してしまいす。

これは仕方がないことなのですが、健康維持のためにできることがあります。

 脱水に強い体をつくるには筋肉をつけることが非常に大事なのです。

血液として存在する水分量は大差はありません。体の水分量を大きく左右する要素、それが筋肉です。

体内水分量は筋肉量の多い人だと65%程度、それが痩せている人では55%程度と、ずいぶん違います。

つまり、大雑把に言うと、筋肉をつけると体内の水分量も増えて、脱水になりにくい、ということになります。

適度な運動が体によいということはこんなところからも言えることなのです。

中野恵子=日経ウーマンオンライン

やっぱ、筋トレは絶対的に必要ですね。でも、適度な筋トレですから誤解のないように。

「運動を長く続けるコツは、“ライフスタイルにうまく組み込む”ことです。
『運動しなきゃ』と、それまでの生活リズムを崩してしてしまうと、結局長続きしません。
いかに日常生活の中で、ムリなく運動できる時間を見つけるかが大事ですね。」
池邊さん、永井さん 分りましたか?

四年に一度の選挙運動は「からだを鍛え、健康を保つために身体を動かす運動」には入りません。